絶滅の恐れ?大空に舞う猛禽ワシタカの行方とは

猛禽類のワシタカは南極を除くほぼ全世界に分布しており、220種に及びます。
食物連鎖の頂点に位置するので個体数は多くありませんが、その森の王者が絶滅危惧種に指定されているのです。

鷹、鷲、鳶の生態

鷹(タカ)鷲(ワシ)鳶(トビ又はトンビ)は、全てタカ目タカ科に属している同じ種別の鋭い爪とくちばしを持つ猛禽類です。形状に大きな特徴はなく、大きさや模様などで分別されており見分け方が難しいです。分かりやすいのは尾の形で、タカとトビの尾は扇状なのに対しワシの尾は足と平行になっています。

一般的にはタカ科の中で比較的大きく、尾は短く足が太い種類を「ワシ」全長は80~120cm,翼開長はオオワシで220~250cmにもなります。イヌワシ、オジロワシは少し小さく全長70~98cm程です。

比較的小さく、足と尾が長く、翼が丸い種類を「タカ」全長は50~60cm位が目安になります。しかし、ワシに分類されるカンムリワシは全長55cmタカの仲間のクマタカは全長75~80cmと大きくなります。一概にワシは大きく、タカは小さいと言えませんね。

タカに属し、その中の一種とされているトビの大きさはタカより少し小さいぐらいですが、一番大きな特徴は、ピーヒョロと鳴き羽ばたかずに輪を描くように飛ぶことです。

羽に白い斑点があり、タカやワシは多くが生きた動物を捕食するのに対し、トビは小動物や死んだ魚なども食べます。

森の王者なのに絶滅危惧種に指定?

森の王者クマタカ (熊鷹・角鷹とも書きます)を簡単にまとめてみました。

生息地は、東京・千葉・沖縄を除く日本全土(と言われておりましたが、現在では22県程の確認に止まります)、ユーラシア大陸南東部、ヒマラヤの森林地帯、オオタカ等と共に鷹狩りに用いられます。
障害物の多い森林での飛翔に適するため、翼は日本に生息するタカ科の大型種に比べると幅広く短めです。頭部の羽毛は黒く、後頭部には白い羽毛が混じった冠羽がありこの冠羽が角のように見えます。

クマタカは森林に生息するノネズミ、ノウサギ、タヌキ、リス、ヤマドリ、ヘビなど中小動物を捕食します。
繫殖は、一年に一度、1回に1個の卵を産み、48~50日で孵化します。親鳥は、巣立ち後巣外育雛期を迎え1年から長くて2年近くも雛の面倒を見ます。その為に繁殖は隔年になることもあります。

近年繁殖成功率が20%台と急激に低下しています。イヌワシ(ゴールデンイーグル)もクマタカも絶滅危惧種に指定されており、現在の個体数は500羽と言われています。美しく雄大な姿が見られなくなるかもしれないと思うと本当に悲しい事です。

自然保護を心から願うばかりです。

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